ヤイリギターカスタムオーダー注意点
2008-04-10


今回、ヤイリギターにフルカスタムで始めてオーダーしました。完成までの過程で経験した事、ヤイリの方にお聞きした事など書きます。これから自分で直接オーダーされる方の参考になればと思います。

ヤイリギターの方には申し訳ありませんが事実なので書きますが、とにかくアナログな会社ですから、ISOを取得する大手メーカーのような対応は無理です。それを是非分かってください。自分の意図する仕様が抜けるという位の覚悟を持って、それを防止する確認作業を惜しまない事です。寛大な心が必要ですが、間違いが判ればしっかり対応してくれますので、変に遠慮しないでドンドン確認しましょう。実際に加工するのはヤイリギターですが、自分も一緒になって自分だけのオリジナルを作り上げる訳です。そう多くは経験できない共同作業なのですから何より全てを楽しむ事です。

1.連絡方法
eメールは受けられるがresは無いと思ってください。メールを開くのは事務の女性だと思います。職人さんがメールを書くことは無いと思います。基本は電話で、紙に記入のものは、fax、郵送で送るか持参して打ち合わせまでしちゃいましょう。

2.オーダー仕様書
ヤイリのオーダーシートに手書きで書くのが基本のようです。セミオーダーの場合はそれほど問題にはならないと思いますが、フルカスタムですと、非常に細かい仕様まで指定することがあると思います。今回の私のように、ロゼッタとパーフリングの色配列まで指定する場合は、既存のオーダーシートでは書ききれませんので、自作という事なります。
これも、写真や絵を入れてカラー印刷し分かりやすく書く必要があるでしょう。できればこれを持って、工場に行って打ち合わせすることをお勧めします。紙を送って、電話で打ち合わせというのは正しく伝わるか分かりません。職人さんの解釈でオーダーの意図したものと違う仕様になってしまうトラブルも考えられます。

3.進捗の確認
製作開始後仕様通りに製作されているか確認した方が良いです。特にライン製作のものは複数人がかかわりますので、抜ける可能性があります。少なくとも塗装前のネック削りの時には確認した方が良いでしょう。この段階で、ブリッジとペグ、フレット、ピックガード、ナット、エンドピン、(ピックアップ)以外のものは付いています。そして、まだ修正が効きます。工場に行ける事がベストですが、遠方の方は電話で細かく確認するのも良いかも知れません。進捗具合は、カスタム担当の方に聞けば分かります。(2008年4月現在では、矢入賀光(ヨシミツ)GMです)

4.多い(であろう)トラブルは?
これはヤイリの方に聞いたのですが、ヤイリのカタログを見てフルカスタムオーダーされた方のケースで、カタログのモデルではアバロン貝はトップのみ入るものだった(42タイプ)が、お客さんはサイド/バックも入ると(45スタイル)勝手に思い込んでいたらしく、納品後ちょっとしたトラブルになったそうです。まぁ、双方の確認不足というところでしょうが、ヤイリ側は、カスタムオーダーする方はギターに対する知識はある程度あるものと考えているように私は感じていますし、ヤイリ側にオーダー受け時のチェックシートのようなものはありませんので、オーダーする側は「そんな細かいところまで・・・」と思うくらいギターを構成するもの全てについて意識し、こだわりたい所はしっかり指定することです。指定しなかったものは「お任せ」と解釈され、標準的な仕様で作る事になります。もっとも、音やサイズ、色などおおまかな事を伝え、相談して「お任せ」というのもアリですが・・・。
特に危ないのは、カタログモデルには無いような細かい部分の装飾。今回のオーダーではネック合わせの前日にヒールサイドのパーフリング、指板バインディングの細い線、サイドポジションで指定したキャッツアイが抜けていることが判り、慌てて加工したということがありました。細かく仕様書に書いてあっても・・・です。


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